生徒と先生の信頼関係について

今日も、中学校のレッスンでした。

今日は短時間(13時〜15時)のレッスンでしたが、
むしろ集中して取り組めていたような気がしました。

普段は1日(10時〜15時)でのレッスンですが、
14時くらいからは集中力が途切れてきているな、と
感じることがよくあります。

自分の勤務校では、1日練習でもなかなか集中が切れることを
感じるのは少ないのですが、
中学生は、顕著に集中力が落ちていく様子が、
表情や仕草(うつろな目、あくびなど)で出てきます。

練習中(合奏中)には、適度な休憩を取ることはもちろんのこと、
練習時間の組み立て方自体を考える必要を感じています。

その一例としては、
・練習の目的・目標を明確にする。
・一方向的な指導ではなく、双方向型の合奏活動にする。
(一方的に教えるのではなく、考えたり、互いに意見を出し合い、主体的に取り組む)

ということを痛感しました。

また、合奏での感触としては、
・息を使い、しっかりと音を響かせることでの「サウンドの向上」を感じると共に、
 「豊かな響き」が少しずつ出るようになってきた。
・一人一人の音程感覚がまだ未熟で、ユニゾンのブレンド感、ハーモニーの色彩感が
 出てこない。
という2点を感じました。

先生の言葉では、「練習時間が足りない。」という言葉に尽きるようです。
が、どうでしょうか。

料理も、仕込みに時間がかかることがあります。
この仕込み、例えば食材の面取りや隠し包丁のような地味な
作業にしっかりと手間をかけることで、
煮崩れを防いだり、味がより浸みることに繋がります。

音も同じで、一朝一夕ではやはりうまくはならないのです。
また、周りを聴くことや音程感覚、リズムの正確さなど、
オフシーズンに鍛えておくべき技術はたくさんあります。

コンクールシーズンになってから焦るのではなく、
いつも、いつでも、いつまでも
基本的なことを大切にしておくことが、
楽曲を国立的に仕上げる近道になることを、
今日のレッスンを通して実感しました。

また、レッスン終了後に職員室に向かって歩いていると、
「ちゃんと私を立てて頂きながら、生徒に指導してくださることに
感謝しております。」
と、顧問の先生から言われました。

話を聴いてみると、
以前、外部講師を依頼したときに、
「今までの練習内容と顧問の指導方法をしっかり指摘されると共に、
顧問の指導を全否定する先生がいる。」という衝撃の告白をいただきました。

自分も、コンクール前に中学校などに呼ばれることがよくありますが、
生徒と顧問の信頼関係には大きな差を感じることがあります。

先日書いた「例え専門外でも、寄り添ってくれる顧問」もいれば、
「専門外なので無関心」という先生。
また、「専門の知識はあるけどやらない先生」もいれば、
部活をやるために先生になったという方もいる。

今日の先生は、一番最初の先生です。
スコアにも、本当に細かく書き込みして分析したり、
「どういうふうに演奏したい」かを考え、
生徒に発問している先生です。

生徒と先生の信頼関係は、指揮台に立てばすぐに分かります。
たまに呼ばれる側としては、
その先生と生徒が一丸となって取り組む姿から、
信頼関係が見えてきます。

こちらも一朝一夕でどうにかになるものでもありません。

部活動の9割は生徒指導。
ある先生から教えて頂いた言葉です。

例え専門外でも
人との関わりという部分では何ら変わりません。
そんな先生と生徒との人間関係がしっかりできていることが
指導者として関わることができる1番の醍醐味だと思います。

専門内容が教えられないからダメなのではない。
目の前の生徒と向き合おうとしない現状がダメなのである。

世の中に出れば、好きなことだけをやって生きていけるわけはない。
それを、学校という教育現場で
身をもって生徒に伝えられるのが教員なのではないだろうか。





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